無線LANと電子レンジの関係 - 神戸ホームページ制作センター

無線LANと電子レンジの関係

電子レンジを使うと無線LANが切れる。なんでだ!

無線LANを使ってると、特定の機器を使うと通信が遅くなったり切断されたりする事がよくあります。
特に電子レンジは無線LANとは相性が悪い機械です。何か電波がでてるのか?と思いますが、結構強力な電波を出している携帯を無線LANの近くで使っても影響はなかったりします。
この違いはなんなのかを、そもそも電子レンジは通信してないだろ!なんで無線LANに影響するんだ!などをわかってもらえたらなと思います。

そもそも電波って何?

無線LANや携帯など、色々な場所で使われいる電波。「電波」と聞くと、何か特殊な技術で作り出して送信している物という印象がありますが、電波は蛍光灯や電球から出てる「光」と同じものです。

電波や光は「電磁波」というもので、おおざっぱに分類すると人間の目で見えないものを「電波」、見えるものを「光」といって区別しています。つまり電波=電磁波でOKです。

電磁波
人の目に見える 人の目に見えない 人に当たると危険
電波 放射線

人間の目に見みえる電磁波と、見えないそれは何が違うのか? それは電磁波が持っている「周波数」の違いによります。(携帯の宣伝で800MHzとかプラチナバンドとかいってるが周波数の事です)。

電磁波の周波数が違うと人間の目にどのように見えるかを絵にしたのが下記の図です。周波数が低くても高くても真っ黒=見えないになっており、また周波数の違いが光の色の違いになっていることがわかります。

ちなみに「白色」に見える周波数はありません。人間の目でみて「白」にみえる光は、全ての色が混ざった光です。

Linear_visible_spectrum

電波の棲み分け

無線LANや携帯など電波を使っている物はなぜ同時に使えるのか?それはそれぞれが使用している「周波数」が違うので同時に使えています。

周波数が違う電波が混ざると、全部混ざった状態の電磁波になりますが「様々な周波数が混じっている電磁波から、特定の周波数の電磁波を取り出す」という技術があるので周波数が混ざってても平気です。

ただし、同じ周波数の電波が混ざってしまうともう区別がつきません。そのため、国毎に使ってもいい周波数というのが決められています。何がどの周波数を使っているのかは、総務省ページの我が国の電波使用状況に公開されています。

周波数別に使用目的が書かれていますが、図を見てわかるとおりごちゃごちゃに詰め込まれていてわけがわかりません。しかも空きもありません。
実は、日本で使える電波はもう空きが無く、電波の奪い合いが起こっている状態になっています。

TVの地デジ化が行われた理由

TVbelweder-front
記憶に新しいのがTV放送のデジタル化。この主目的はTV放送を綺麗にするとかTVの買い替えをさせるとかではなく、「電波に空きを作る」が主目的でした。
アナログTV放送は白黒放送が始まったのが1940年代。この頃は電波を使うものがあまりなかったので、結構適当な周波数割り当てでTV放送がされていました。
そしてそのまま現代になり、電波の空きが無くなったのでどこか削ろうとなった時に、TV放送が対象になりました。
今の技術で再設計すれば使う周波数帯を減らして電波に空きが作れるし、ついでに画質も上げれる、TV買い替え需要も起こせるとか色々あって地デジ化プロジェクトがスタートしました。

電子レンジと無線LAN

電子レンジの原理は、「強力な電磁波を当てて水分を加熱」です。このため、どうやっても本体から電磁波が漏れてしまいます。
電子レンジで使われている電磁波はISMバンドと呼ばれている2.4GHz帯の周波数の電磁波となっており、この周波数帯と無線LANで使用している周波数帯が同じなため、同時に使うとどちらの電磁波か判別できなくなって通信が切れる原因になっています。

なぜ同じ周波数を使っているのか

なぜこんなことになっているのかというと、「電波に空きがなかったから」というのが理由です。
前述の通り、電波は空きが無い状態となっており、使える場所が多少電波が漏れてもOKなISMバンドだけだったというのが今の状態となっています。

まとめ

電波は大切に!